【北京=西見由章】日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合が3日、北京で開かれた。終了後に発表された共同声明などによると、交渉対象の約20分野のうち、これまでの7分野に加えて電気通信・金融サービスなど3分野で新たに妥結した。一方、日本政府による半導体材料などの輸出管理強化に対して日韓が応酬する場面もあった。
世耕弘成経済産業相は終了後に記者会見し「今までの会合の中ではかなり円滑に進んだ。次回の9月の閣僚会合が大きなヤマ場になる。年内妥結に向けて日本が交渉のリード役になりたい」と語った。
世耕氏によると、韓国側は日本の輸出管理強化について閣僚会合で2回発言した。世耕氏は「まったくRCEP交渉と関係ない提起」に対して遺憾の意を示した上で「参加国の誤解」を招かないために、管理強化が安全保障を目的にした貿易管理の適切化であり、韓国が主張する世界貿易機関(WTO)違反ではないことや、世界のサプライチェーンに影響はないことを説明した。世耕氏と韓国側代表との接触は「まったくなかった」という。
今後、韓国が態度を硬化させて日韓の関税交渉が難航する可能性もあるが、世耕氏は「日本側が影響させる意図はまったくない。もし韓国が影響させてRCEPが停滞すれば各国がどう思うか」と牽制した。
中国の胡春華副首相は開幕式で演説し「強い政治的意志を積極的行動につなげ、年内妥結という目標に向けて揺るぎなく前進してほしい」と呼びかけた。
2019-08-03 10:39:00Z
https://www.sankei.com/world/news/190803/wor1908030018-n1.html
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