学生３大駅伝第２戦の全日本大学駅伝は７日、名古屋市の熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴールの８区間１０６・８キロで行われる。大会前日の６日、３年ぶり３度目の優勝を狙う青学大の原晋監督は「男前大作戦」を発令した。
「青学大のイケメン（男前）ランナーが『男だろ！』のかけ声で気合いが入る優勝候補の駒大の前でレースを進める積極策で優勝を狙いますよ！」
原監督による大作戦発令は、学生３大駅伝で、もはや恒例。今回、大学駅伝ＮＯ１の個性派指揮官はプロ野球・日本ハムの新庄剛志監督を意識している。ジャケットとネクタイの姿でリモート会見に参加した原監督は「本当は新庄監督みたいな大きな襟のシャツで出席したかったけど、売っていませんでした。特注しないといけないんですね」と苦笑いしながら話した。自身の呼称を「ビッグボス」とする新庄監督について原監督は「プロ野球界はさらに盛り上がると思います。陸上界も負けていられません」とライバル心を見せた。
全日本大学駅伝で２年連続１４度目の優勝を狙う駒大、出雲駅伝で学生３大駅伝通じて初優勝を飾った東京国際大、同２位の青学大、同３位の東洋大、同４位の国学院大、同６位の早大などが激しい優勝争いを展開することが予想される。出雲駅伝では東京五輪３０００メートル障害７位入賞の三浦龍司（２年）を欠き、１０位と苦戦した順大も三浦を２区に起用して巻き返しを図る。箱根駅伝予選会（１０月２３日）を圧倒的な強さでトップ通過した明大も中２週の強行日程ながら躍進が期待される。
２０１５年（１４年度）の箱根駅伝を制して以来、大学駅伝界の主役となった青学大は昨季、７季ぶりに学生３大駅伝無冠に終わった。復権をかける今季、開幕戦の出雲駅伝では２位と健闘した。今大会は２０２０年箱根駅伝以来、４大会ぶりの学生３大駅伝１２勝目を目指す。「アンカーは青学大一のイケメンの飯田キャプテンです。優勝のゴールテープを切ってくれるでしょう」と原監督は期待を込めて話す。
飯田自身も、そのつもりだ。「レース中は苦しい顔になると思いますが、最後は笑顔でゴールテープを切りたい」と表情を引き締めて話した。青学大は前々回、前回と２年連続で８区をトップで通過しながら、いずれも逆転され、２位、４位に終わった。飯田も２年前にアンカーで東海大の名取燎太（現コニカミノルタ）に逆転を許した。今季、主将を務める飯田は「２年前のあの大会は今まで一番悔しいレースです。今回、その悔しさを晴らしたい」とリベンジを誓った。
３区（１１・９キロ）には主力の岸本大紀（３年）が登録された。１年時に箱根駅伝２区で日本人ルーキー最高タイムの１時間７分３秒の区間５位と快走し、青学大の優勝に貢献したが、２年時の昨季は股関節痛などに苦しみ、学生３大駅伝をすべて欠場。今大会は１年時の箱根駅伝以来の学生３大駅伝参戦となる。「イケメンの飯田さんに最高の笑顔でゴールテープを切ってもらえるように頑張ります」と岸本も「男前大作戦」の大成功に意欲を見せた。
◇青学大・原晋監督発令の大作戦シリーズと成績◇
１３年箱根駅伝 Ｚ大作戦（エース出岐雄大を切り札としてアンカーに起用。アルファベットの最後のＺが由来）８位
１４年箱根駅伝 Ｓ大作戦（９、１０区に世羅高出身の藤川拓也、竹内一輝を並べて最終盤に勝負。世羅のＳが由来）５位
１５年箱根駅伝 ワクワク大作戦（原監督「初優勝できるかもしれない。ワクワクしている」。大作戦が初めて認知された）優勝
１５年出雲駅伝 青トレ大作戦（中野ジェームズ修トレーナーの指導による体幹トレーニングの効果をアピール）優勝
１５年全日本大学駅伝 あっぱれ大爆走作戦（原監督「会見で司会者に急に振られて即興で考えた」。準備不足がたたり敗戦）２位
１６年箱根駅伝 ハッピー大作戦（原監督「選手、スタッフ、監督、コーチ、ＯＢ、ファン全員がハッピーになるレースをします」）優勝
１６年出雲駅伝 神ってるぞ青山大作戦（広島県出身の原監督がプロ野球・広島の緒方孝市監督が発した流行語をヒントに命名）優勝
１６年全日本大学駅伝 エビフライ大作戦（原監督「（開催地の）名古屋と言えばエビフリャー。頭から尻尾まで全部おいしい」）優勝
１７年箱根駅伝 サンキュー大作戦（３連覇＆３冠を目指す。原監督となって９度目の出場。感謝の気持ちで臨む）優勝
１７年出雲駅伝 陸王大作戦（原監督が出演したＴＢＳ系ドラマ「陸王」の番組宣伝？ フジテレビ系放送の出雲では相性が悪く敗戦）２位
１７年全日本大学駅伝 青山祭大作戦（学園祭シーズン。「打ち上げ花火をドンと上げたい」と意気込むも、不発に終わる）３位
１８年箱根駅伝 ハーモニー大作戦（混戦必至だが、指揮者を自任する原監督は「美しいハーモニーを奏でることが出来れば勝てる」）優勝
１８年出雲駅伝 ヨロシク大作戦（出雲「４」勝目を狙う。「６」区間の総合力で勝負。ポイントは「４」区の吉田圭太。「９」度目の出雲路に感謝）優勝
１８年全日本大学駅伝 メラメラ大作戦（原監督「出雲駅伝を勝ったが、チーム全員満足していない。メラメラ燃えています」）優勝
１９年箱根駅伝 ゴーゴー大作戦（原監督「アチチ、アチ、燃えてるんだろうか！ 箱根５連覇に向けて郷ひろみさんのように燃えています」。しかし、不完全燃焼で惜敗）２位
１９年出雲駅伝 出てこい！駅伝男大作戦（原監督「勝つためにレースで練習以上の力を出せる駅伝男が出てきてほしい」）５位
１９年全日本大学駅伝 私（青学大）失敗しないので大作戦（今大会を放送するテレビ朝日系人気ドラマの主演・米倉涼子の決めゼリフ）２位
２０年箱根駅伝 やっぱり大作戦（原監督「やっぱり青学大は強かった、と言わせたい」。宣言通りにＶ奪回）優勝
２０年出雲駅伝 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会中止
２０年全日本大学駅伝 コロナに負けるな！大作戦（原監督「選手、監督、大会関係者、ファン全員でコロナに勝とう！」）４位
２１年箱根駅伝 絆大作戦（原監督「未曽有のシーズンの箱根駅伝では駅伝の原点である絆を大切して戦いたい」）４位
２１年出雲駅伝 結大作戦（原監督「縁結びの神様として名高い出雲神社をスタート地点とする大会で団結。コロナ禍が早く終結することを願う」）２位
２１年全日本大学駅伝 男前大作戦（原監督「青学大のイケメン（男前）ランナーが『男だろ！』のかけ声で優勝候補の駒大の前でレースを進める積極策で優勝狙う」）結果は？
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